土井さんの写真の魅力はなんと言っても人物の表情だ。異国のセレブたちでさえ一瞬にして土井さんに心を許す。そして、click!。そこにはレンズを通して被写体がカメラマンをどう感じたかが写る。そう、ポートレート写真とはカメラマンの人間性があからさまになる表現でもある。
さて、大好評であった2014年に続き、2015年も土井さんに私のギャラリー(キング堂ギャラリー)で写真展を開いていただいた。今回は土井さんのライフワークになっている地元のお年寄りたちのポートレート作品集である。
敬老の日にプレゼントする写真を村から依頼されたこと始まった写真シリーズ「里翁里媼展」(さとおきな さとおうなてん)。
これまでの20年で地元のお年寄りを400人以上撮影してきた土井さん。今回はその中から40点を2014年同様にロールペーパーで一挙に展示した。
あわせて、年配者向けに“元気なうちの写真を残しましょう”という「残そう元気写真」も行った。「人は意外といい顔したときの自分の写真を持っていないものだ…特に年配者は夫婦で撮った写真がない」という土井さんの気づきから始まった企画。普段はスタジオで撮影するのを、今回はギャラリーの一角で行った。(MJ)